アメリカの大手自動車メーカーFord Motor Companyは、世界70工場で年間数百万台の自動車を生産しています。J. D. Power and Associatesの初期品質調査によると、フォードは2007年以来、他のどの自動車メーカーよりも多くのトップランキングを獲得しています。1903年以来、高品質基準により、フォードが業界のリーダーになり続けていることは、自然なことです。そしてフォードは、品質が自動車の発売前から始まることを知っています。2011年、車内マットの外観問題により、Ford Fiestaの発売が止まりかけたことは、Six Sigmaチームにとって、実証済みの最適化手法を通じて品質を改善する機会になりました。チームは、顧客満足度と性能を高く維持するために、Minitab Statistical Softwareを使用してマットの欠陥を排除し、順調に発売することができました。

課題

Fiestaの発売を目前にして、マットにブラシの跡が現れることは顧客に受け入れられないと判断しました。フォードの黒帯マスターScott Sterbenzさん率いる内装Six Sigmaチームは、まず、マットの工程を分析するため、サプライヤーと協力しました。そして、ニードラーと呼ばれる機械の設定が、品質低下の原因である可能性が高いとわかりました。

 Blue Ford Fiesta on the left and an orange Ford Fiesta on the right.

Ford Motor Companyは、Minitab Statistical Softwareを使用して、Ford Fiestaのマットの品質を改善しました。.

マットメーカーは、ニードラーの設定を変更すると、マットの豪華さに影響があるかもしれないと懸念していました。チームは、工程改善にあたり、マットの豪華さ、耐久性や汚れにくさなどの重要な品質を維持しながら、ブラシの跡をなくす方法を考える必要がありました。Fiestaのマットの品質を改善するという難しい作業で、品質改善の専門家はMinitab Statistical Softwareの実験計画(DOE)ツールに目を向けました。

Minitabソリューション

統計では、DOEは、複数の変数が結果または応答にどのように影響するかの洞察につながる、一連の実験の実行または検定の作成を意味します。計画実験では、一度に複数の因子を変更し、統計分析でどの因子が重要かを判断し、因子の最適な水準を特定することができます。これは、多くの工程を改善するための効率的で経済的な方法です。

発売までの時間があまり残っていないなかで、フォードの改善チームは、マットのブラシ跡と豪華さに対して、ニードラーの6つ設定の影響を評価する実験を計画する必要がありました。実験では、難しいバランス取りが必要でした。厳密で信頼性が高く、同時に、材料費とサプライヤーの生産計画の中断を最小限に抑える必要がありました。課題は、可能な限り少ない実行で、ニードラーの設定を最適化するのに十分なデータを収集できる実験計画を見つけることでした。

Experimental design of optimized factor settings and response values

チームは、Minitab応答の最適化機能を使用して、ブラシ跡を除去して豪華さを維持する最適な設定を割り出しました。.

MinitabのDOEツールは、さまざまな種類の実験を作成および分析し、調査対象の変数の数やその他の条件に基づいて、状況に最適な実験計画を割り出すのに役立ちます。チームは、MinitabのDOEツールを使用して、わずか34回の実行で必要な情報を得られる、中心点のある一部実施要因計画を作成しました。

実験の実行ごとに、チームは新しいマットを現在のマットと比較し、その評価を平均して分析しました。また、MinitabでゲージR&R分析を行い、マットの評価された品質の変化が、評価者の主観ではなく、実験で変化した要因の直接的な結果であることを確認しました。

 Pareto Chart of the Standardized Effects

Minitabで作成されたPareto図は、マットの品質に大きな影響を与えた3要因交互作用を明確に示しています。.

34回実行のデータをMinitabで分析し、各応答の結果から、ニードラーの異なる設定間の複雑な交互作用が明らかになりました。交互作用は、ニードラーの個々の設定に対する以前の調整ではブラシ跡の排除方法が見つからなかった理由を説明しました。

計画実験は、チームに重要な変数と交互作用のリスト、および入力が応答にどのように影響するかを示す方程式を提供しました。さらに、結果は、ブラシ跡を除去する最適な設定が豪華さに悪影響を及ぼさなかったことを示しました。

結果

Sterbenzさんは、マットメーカーとFiesta開発チームのどちらのフィードバックにも応える形で、Minitabの応答の最適化機能ツールを使用して、最初のDOEで割り出された最適な設定を微調整しました。応答の最適化機能で、DOEで特定された結果を出発点として、Sterbenzさんとそのチームは設定を変更し、マットメーカーとFiesta開発チームの他の懸念を考慮しました。

確認の実行で、新しいマットが最初の評価者から良い評価を受けた後、標本は最終評価のためにフォードの研究エンジニアリングセンターに送られました。標本は、耐久性、汚れにくさ、色、光沢のすべての検査に合格し、実験はすべての人に大成功と見なされました。

問題が定義されてから解決策が実施され、工程が管理されるまでのプロジェクト全体に、12日かかりました。ブラシ跡を完全になくし、Fiestaのマットの柔らかさを予想外に改善できただけでなく、工程全体をよりよく理解することができました。

Minitabを使用することで、フォードはブラシ跡をなくし、同時にマットの豪華さを維持するニードラーの最適な設定を見つけて実装することができました。2011年のFord Fiestaは、わずか数か月後には成功裏に発売され、卓越性と品質改善へのフォードの取り組みにおいて新たなマイルストーンをマークしました。

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顧客

Ford Motor Company

 

概要

  • 1903年創設
  • 本社米国ミシガン州ディアボーン、世界に70工場
  • 従業員数164,000人以上

 

課題

マットの製造工程を特定して修正し、ブラシ跡をなくす

 

使用された製品

Minitab® Statistical Software

 

結果

  • ブラシ跡の完全な排除
  • マットの柔らかさの予想外の改善
  • 成功した、高品質のFord Fiestaの発売